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YUMEKOUBOU ANTIQUES

2020.12.14

四代田辺竹雲斎展 TANABE CHIKUUNSAI Ⅳ
- 離 -

京都国立博物館で開催された「artKYOTO2020」は、古美術から現代美術まで幅広い作品が集まるアートフェアです。

夢工房では「四代田辺竹雲斎展 - 離 -」として彼のオリジナル作品を中心に出展いたしました。会場中央には巨大な竹のインスタレーションを制作していただき、お越しになったお客様の目を釘付けにしたようです。
そこには虎竹という生育場所が限られている貴重な竹が使われています。その模様は、一様でなく独特の斑が美しい竹です。丁寧に加工された竹ひごが規則正しく、かつ柔軟な感覚で編み込まれています。竹という自然素材を使うことで、無機質なイメージは全くなく、逆に生命力のある力強さ、風が通り抜けていく清涼感すら感じられ、いつまでも見つめていたい不思議な心地良さが伝わります。
この竹ひごは、無駄に廃棄されることなく次の制作材料として再利用されていきます。その形は見る人の記憶に留め、その素材は次へと繋がる。今私たちに必要とされる自然への敬意がここにあります。

この展覧会では、花籃のような伝統的な竹工芸という枠を超え、四代竹雲斎のアートとしての竹の可能性を表現した作品が集められました。使うための道具としてではなく、見て、感じて楽しむ、オブジェとしての魅力を意識した作品です。
すぐにはその魅力が見えず、見る人が持っている竹工芸というイメージを書き換えていく作業。
しばらく眺めていると伝わるものがあります。作家が作品に込めたコンセプトは、もちろん真摯に受け取るべきですが、それを鑑賞する私たちは、そこからさらにイメージを広げて魅力を見つけ、その印象を大切に心に刻み込む。
それが四代田辺竹雲斎が座右の銘とする「伝統とは挑戦なり」になるのではないでしょうか。未来へ広がる竹の世界は、作家と共に受け取る私たちがその可能性を繋げていくのかもしれません。

3日間という短い展示期間でしたが、多くのお客様にご来場いただきました。
日本人に馴染みのある竹という素材。そこから生み出される現代アート。海外の方はもちろん、日本の方にも自然豊かな表情を持つ竹の素晴らしさを再発見していただけるはずです。夢工房では今後もそのお手伝いをさせていただきます。
ありがとうございました。

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